【不許可】在留資格の申請で、不許可になる理由にはどんなものがありますか?【理由】

在留資格

外国人の上陸審査とは

在留資格の申請で、不許可になる理由にはどんなものが考えられるでしょうか。

外国人の上陸審査には、様々な要件が課されています。

そもそも法に定められた「在留資格」のいずれかに該当しなければなりません。在留資格は何らかの「活動」を行う目的があることを前提としています。つまり、ただ来たいからという希望をかなえる在留資格はありません。観光目的の「短期滞在」はそれに近い部分がありますが、それでも一定の目的を示して許可を受けることを必要としています。

上陸審査の要件

上陸審査の要件の一つには、「我が国の産業及び国民生活に与える影響その他の事情を勘案して」という定めがあります。これは「出入国管理及び難民認定法」(入管法)の7条1項2号に規定されています。

「産業」と「国民生活」への影響を考慮すべきことが法により明文で定められています。

産業は雇用政策その他社会経済政策に対する影響を考慮すべきこと、国民生活は当該外国人の在留によって国民の生活に及ぼす環境的影響や文化的影響を考慮すべきことを定めているものと考えられます。

もちろん、具体的な基準が定めているわけではなく、注意的な規定と見ることもできるでしょう。しかし、明文で定められている以上、審査官がこれらの要素を無視するわけにはいきません。審査の過程で一定の考慮を働かせていることは間違いありません。申請をする側としても、これを無視するわけにはいきません。

加えて、判例上確立している法務大臣の「広汎な裁量」もあります。

そうすると、単なる杓子定規な基準によって許可の許否が定まるわけではないと考えておかなければなりません。もちろん、恣意的な判断が許されるわけではありませんし、内部の「審査要領」等においては詳細な判断要素が定められており、審査の過程及び根拠が客観的に示すことができるように慎重に審査がなされているものと考えられます。そうでなければ行政への信頼が担保されることはありません。

とはいえ、前記の裁量の広さを考えれば、経済的目的や政策的目的によって、また当該在留資格の統計的な人数等を見計った上で、許否の判断がこれらに左右されることは十分考えられます。少なくとも、現状の法制度の下ではこの程度が限界であると見立てておく必要があります。

参照条文

参照条文:

出入国管理及び難民認定法(入管法)7条

(入国審査官の審査)

第七条 入国審査官は、前条第二項の申請があつたときは、当該外国人が次の各号(第二十六条第一項の規定により再入国の許可を受けている者又は第六十一条の二の十五第一項の規定により交付を受けた難民旅行証明書を所持している者については、第一号及び第四号)に掲げる上陸のための条件に適合しているかどうかを審査しなければならない。

一 その所持する旅券及び、査証を必要とする場合には、これに与えられた査証が有効であること。

二 申請に係る本邦において行おうとする活動が虚偽のものでなく、別表第一の下欄に掲げる活動(二の表の高度専門職の項の下欄第二号に掲げる活動を除き、五の表の下欄に掲げる活動については、法務大臣があらかじめ告示をもつて定める活動に限る。)又は別表第二の下欄に掲げる身分若しくは地位(永住者の項の下欄に掲げる地位を除き、定住者の項の下欄に掲げる地位については、法務大臣があらかじめ告示をもつて定めるものに限る。)を有する者としての活動のいずれかに該当し、かつ、別表第一の二の表及び四の表の下欄に掲げる活動を行おうとする者については我が国の産業及び国民生活に与える影響その他の事情を勘案して法務省令で定める基準に適合すること(別表第一の二の表の特定技能の項の下欄第一号に掲げる活動を行おうとする外国人については、一号特定技能外国人支援計画が第二条の五第六項及び第七項の規定に適合するものであることを含む。)。

三 申請に係る在留期間が第二条の二第三項の規定に基づく法務省令の規定に適合するものであること。

四 当該外国人が第五条第一項各号のいずれにも該当しないこと(第五条の二の規定の適用を受ける外国人にあつては、当該外国人が同条に規定する特定の事由によつて同項第四号、第五号、第七号、第九号又は第九号の二に該当する場合であつて、当該事由以外の事由によつては同項各号のいずれにも該当しないこと。以下同じ。)。

2 前項の審査を受ける外国人は、同項に規定する上陸のための条件に適合していることを自ら立証しなければならない。この場合において、別表第一の二の表の高度専門職の項の下欄第一号イからハまで又は同表の特定技能の項の下欄第一号若しくは第二号に掲げる活動を行おうとする外国人は、前項第二号に掲げる条件に適合していることの立証については、次条第一項に規定する在留資格認定証明書をもつてしなければならない。

3 法務大臣は、第一項第二号の法務省令を定めようとするときは、あらかじめ、関係行政機関の長と協議するものとする。

4 入国審査官は、第一項の規定にかかわらず、前条第三項各号のいずれにも該当しないと認める外国人が同項の規定による個人識別情報の提供をしないときは、第十条の規定による口頭審理を行うため、当該外国人を特別審理官に引き渡さなければならない。

まとめ

在留資格の審査は一定程度は「国の政策」に左右されてしまう可能性があることを見据えておく必要があります。

万一のためにも、十分な資料の提出や丁寧な説明を行っておくことが肝要になります。

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ダイセイ法務事務所

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代表行政書士 大井淳

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